繰り返されてきた雇用調整
当然のことではあるが、これまでの日本型雇用システムにおいても、転職や労働移動がなかったわけではない。後に見るように、それは「予想外に」高い水準だといってもよい。雇用調整そのものも、これまでに幾度となく繰り返されてきた。七〇年代の石油ショック後の不況においても、八〇年代の円高不況においても、大規模な雇用調整が進行した。そして現在、「戦後最悪」の雇用調整が進行している。ちなみに、「戦後最悪」という表現は、四半世紀前にも飛び交った。
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第一次石油ショックによる一九七三年のマイナス成長に伴って、「戦後最悪」の雇用調整が進行した。昨年一九九七年度、日本経済は再びマイナス成長に落ち込んだのであり、してみれば、再度の「戦後最悪」に直面するのも当然といえる。しかもバブルの崩壊後、ほぼゼロパーセント成長のあげくのマイナス成長であり、さらに今年度はさらなるマイナス成長に落ち込むことは必至である以上、現在の「戦後最悪」が、四半世紀前のそれを軽く凌駕することも不思議ではない。戦後最悪の不況が戦後最悪の雇用調整を余儀なくさせているのである。しかし、改めて指摘すべきは、現在の「戦後最悪」においても、雇用調整のパターン自体はこれまで通りのものだということだ。
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