学生たちを大いに高揚させた提案とは

2011.11.24

私はある時学生につぎのような提案を持ちかけた。それは数年前の事で「日米構造協議」という日米間の貿易や経済関係正常化のための根本的な協議が政府間で始められた頃の事である。ブッシュ政権下のヒルズ通商代表が来日してその意義を説き、数回に及んだ交渉が開始された。二回目の交渉が終った時、アメリカ側は日本の対応に強い不満をあらわにした。日本の政治指導力が見えないというのである。アメリカ側は貿易の構造障碍を協力して除去する「アクション・プログラム」と位づけているのに対して日本側は商慣行の中身まで変えるような交渉ができるわけがないと夕力をくくっていたフシがあった。

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私は学生達に、ここで日・米の模擬交渉チームをつくって三回目、四回目の交渉のシミュレーションをやってみてはどうかと提案した。学生達は非常に興味を示してそれをやりたいと言う。そこで私は、東京大学法学部の友人に頼んで経済・法学の二つのゼミを合同し、混成チームで日・米のロールプレイをやらせることにした。学生達は大いに高揚して三田と本郷を行き来して猛烈な勉強をはじめた。私は、その事を新聞社の友人に話してシミュレーションの前に記事にしてもらったところ全国から反響があり、学生達はさらに意気が上った。そこで、さらにテレビ局の友人に連絡してニュース解説番組で流してもらうことにした。ここまで来ると学生達はもう大変な興奮で勉強にもさらに熱が入った。





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